15歳、今この瞬間を
でも、それは違う……あたしは今でも、自分の力だけじゃ何もできないから。

あたしの中にはいつも、ロウという朗(ほが)らかであたたかい笑顔があったから。

それからリョウくん……小野さんに斎藤さん、クラスのみんなも助けてくれたから。

「ありがとう…ございます」

「いいのよ、お礼なんか。全部、井上さんがしたことの結果なんだから」

あーーー……。

"夢希が、作ったんだからな"


ロウ……そういうこと?

今ある人間関係、環境、心境……全部あたしが作ったーーそういう意味?

「……っうぅ…っ……」

ロウがいたから……。

「あらあら夢希ちゃん、大丈夫?」

突然泣き出したあたしの肩を、お母さんは優しく抱いてくれた。


ロウがいなかったら……あたしはきっと、少しも変われていない。

どうでも良かった毎日を、笑えるようにしてくれたのは……ロウなんだよ。

「そろそろ帰ろうか、夢希ちゃん」

あたしは、お母さんの言葉に小さく頷いた。


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