15歳、今この瞬間を
「夢希ーー」

「リョウくん……あたしは、ありさちゃんにはなれないけど、でもずっと…こうしたかったんだよね……?」

あたしはーーーリョウくんを抱きしめた。

「夢…、……あ…りーー」

その名を呼ぶ代わりに、リョウくんはあたしを強く抱きしめた。


「あの子たちです!」

「おい君たち!何やって……あれ?ケンカじゃなかったのか?」

さっきの騒ぎを聞きつけたのだろう警備員が来たのだけど、何事もない現場に拍子抜けといった表情をしていた。

警備員と一緒に来た通報したと思われる女の人も、抱き合っているあたしとリョウくんを見て、気まずそうな表情になった。

「あ…!夢希ちゃんいたー!」

「小野さん…」

相変わらずほわほわとした小野さんが、小走りでこちらに向かってきた。

「夢希ちゃん、迷子放送されてたよ?」

「え゛⁈それホント?」

「うん、いて良かった。じゃあまたね〜」

そう言うと小野さんは、自分の班に戻っていった。


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