15歳、今この瞬間を
警備員もいるこの中に、空気も読まずに入ってくる小野さんは、相変わらずだった。

「念のために、話だけ聞かせてもらえないかな」

「……」

仕方なく別室に移動して、あれこれ聞かれたあたしたちーー高校生最初の行事は、その別室まで迎えにきてくれた担任からの説教で終わった。


"みんながみんな、夢と希望に溢れてキラキラしてるわけじゃない。必死にもがいて、何とか暗闇から抜け出そうとしてるヤツもいるんだ"

約一年前のロウの言葉……ロウ自身のことはもちろんだけど、リョウくんのことも言っていたのだと、この日あたしは気がついたーー…。




そしてーーー、

「夢希ちゃーん、今日はどこに行こうか?」

「もうお母さん、この暑いのに毎日連れ回さないでよ。あたし課題が全然進まないよ。それに今日は予定があるから無理」

梅雨が明け、ここ名古屋で2度目の夏休みを迎えていた。

お父さんが単身赴任で大阪にいるから、お母さんの相手はあたしの役目でもあるのだけど、毎日はカンベン。

「この前お買い物に行った人でも誘ってみたら?」

「そうねぇ…聞いてみようかしら」

お母さんはスマホを手に、操作を始めた。


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