愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「嬉しい。さすがコウさん!」
「本当はもっと違う形でご飯でも食べに行こうと思ってたんだけどなぁ、急に弦さんの店に集まることになったからな」
「それでも嬉しいです。私は満足ですよ?」
そう思ってくれただけで幸せだ。コウさんのそういう気持ちが嬉しいもん。
ニコニコと笑顔を向けると、そんな私をじっと見つめてきたコウさんが手を伸ばし、そっと頬を撫でてきた。
「つーかこんなんで喜ばれても困る。明日は仕切り直しにもっといい所に連れてってやるつもりだから楽しみにしてろ。もっと旨いもの食わせてやる」
「…っ……」
これには目を見開いて驚いた。
本当に?
じゃあ、明日もずっと一緒にいれるってこと?
コウさんと一緒にいられる。
このままずっと…
「まぁ、その前に俺はお前を食うつもりだけどな。この後じっくりと」
「っ……!」
そのまま耳元に唇を寄せられて、私は声も出せずに体を強ばらせた。
「なんだ、もう酔ってきたのか?顔が赤いぞ。…それとも、もう想像した?自分が熱く絆されてく光景を」
不敵に笑う彼が憎らしい。悔しいけど逆らえない。
何もわざわざ言葉にしなくても…
だってコウさんの言う通りだもん。
彼にニヤリと言われ、一瞬でベッドの中の光景を思い出してしまった。
これには私もカァ〜と顔が熱くなる。