ずっとキミが好きでした。
そんな女の子らしくない女であるおれだが、ほんの数パーセントだけ、乙女心がある。



だから、少し、ほんの少しだけ、なっつんを憎く思う時がある。






なっつんはあの日を境にちょくちょく軽音部に顔を出すようになった。


クッキーやマフィンを持って行くと、彼らはたいそう喜ぶらしい。


おれは近くて遠い場所からそんな彼らを見ていた。








ーー見ていることしかできなかった。














そして、おれにとって屈辱的なことが起こった。
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