ずっとキミが好きでした。
電車のホーム。


2時間に一本あるかないかの田舎町を通る電車を待つ客は、おれ以外にたった一人だった。



訳もなく目頭が熱を帯びて来た。


こらえるためにゆっくりと夜空を見上げた。


白い月がうっすらと見え、太陽は地平線の下にすっかり沈んでいた。


でもまだ星は見えない。


徐々に黒を帯びていく空に、おれの心が重なった。


そして少しの安心感が生まれた。








夜空だけが、おれの痛んだ心の傷を静かに癒やしてくれていた。

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