さっとシャワーを済ませ、出る。口の中もまだ気持ち悪かったので、歯磨きをしてうがいをした。

そしてまた、なんとなく自分のいる場所を見回した。薄々気づいては居たが、ここは完全に"専用のホテル"だ。

今になってそんな環境に彼と二人でいる事が恥ずかしくなってきた。

急いで服を着てからさっと髪を乾かし、彼のいる部屋に戻る。この後はどうなるのだろうか。もしかしてそういうことになるのだろうか。

「出てる出てるよ、不安が顔に出てる。」

彼は吹き出すように笑って言った。

「大丈夫。何もしないから。」

「え?何もしないの?」

言ってから自分の口から出た言葉に驚いた。彼も目を見開いている。







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