五感のキオク~記憶の中のアナタの声~
ハァー

もう嫌だ。

なんで今日はこの呪縛から抜け出せないんだろう。

元カレと似た声をただ聞いただけなのに。

しかもこの街を選んだのが間違いのもと。

このスクランブル交差点も

この歩道も

全部全部、そんな思い出がたくさんある場所で。

だんだん服なんて買う気分じゃなくなってきた。


お茶なんて飲んだって気晴らしにはならない。

もうこうなったら飲むしかない。

一人酒なんてしたことないけど、この街なら彼と何度か通ったバーがある。

そう思いたつとその店に向かって歩き始めていた。
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