五感のキオク~記憶の中のアナタの声~
マスターのさり気ない気づかいと美味しいお酒。

初めての一人バーだというのに、気づけばもう三杯目。


その間に他の客も来店してきたようで、ジャズが流れる中に時折話し声が混じっていた。

あぁ、なんか今日は声が気になって仕方がない。


「いらっしゃいませ」


カウンターの中でお酒を作っていたマスターが入ってきた人に声をかける。

どうやらカウンターの席を指していることから私と同じお一人様らしい。

今までカウンターもマスターも一人占めだったけれど、そういうわけにもいかなくなった。

さっきまでは、結構一人も平気だし、案外大人なのかもなんて思ってたのは気のせいだったらしい。


初一人バーの私は、隣の人との会話をできるわけもなく、ただひたすら前を向いていた。

なんかソワソワしてしまい、今飲んでいたグラスを最後まで飲み終えてしまった。
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