君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「と言いたいけど。

柚葉のダンスを邪魔する気は無いよ。
最後の一回のレッスンなら、気を付けて行ってこい。

レッスンだけ、だからな。そのあとは真っ直ぐ帰ってこい」


「ん、わ、かりました……ぁっ……」


その後にもう一度抱かれた時は、澪音はさっきよりずっと意地悪だった。思わせぶりな指先に私は何度も降参させられて、懇願するように澪音の名前を呼んだ。


「悪い。余裕が無くなると……、こういうことしたくなるんだ。

柚葉の、そういう顔を見たくなるから」


散々焦らされた後で、いつもより荒い息づかいの澪音を受け入れると、まるで全身を食べられているような感じがした。ショートしそうな意識の中で、また何度も澪音の名前を呼んだ。
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