君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
翌日、私はレンタルスタジオにレッスンの一時間前に来ていた。
入念なストレッチをして体を準備する。どうしても昨晩の澪音を思い出して頭がぼんやりしてしまうけど、そんなことを言っている場合じゃない。
私はずっと澪音のピアノで踊りたかったんだ。思いきり、全身で。澪音はダンスのための曲は作れなかったと言うけれど、
「この曲、全然踊れちゃうんだよね」
バレリーナのような開脚をして、高くジャンプする。いつもより高く飛べるし、指先まで音楽とぴったり一致して心地良い。
澪音の曲は社交ダンスのようなクラシカルなダンスには向いていなくても、既存のジャンルにとらわれないダンスにはとても良く馴染む。先日のオーディションで踊った振り付けを曲に合わせると、楽しくて時間を忘れてしまったほどだった。
「柚葉さん、格好いい!凄いですね」
「わぁっ。すみませんっ。杉崎さん来てたんですね」
「少し時間より早く来ちゃいました。どうぞそのまま、続けて。もう少し見たいです」
「いえいえっ、お見せするほどのものではないのでっ」
澪音は、この曲は私以外には聞かれたくないと言っていたので、慌てて音楽を止める。
「凄く綺麗な曲とダンスだったのに……。止めるなんて勿体無い。
その音楽、良いですね。聞いたことないけど、インディーズのアーティストですか?」
「あはは……。そんなところです」
音楽に興味深々の杉崎さんは携帯プレーヤーを操作する。曲を聞いてはだめとも言いづらくてハラハラしながら見守っていると、杉崎さんの手が止まった。
「ワルツもあるんですね。今日のレッスンはこの曲でも良いですか?」
入念なストレッチをして体を準備する。どうしても昨晩の澪音を思い出して頭がぼんやりしてしまうけど、そんなことを言っている場合じゃない。
私はずっと澪音のピアノで踊りたかったんだ。思いきり、全身で。澪音はダンスのための曲は作れなかったと言うけれど、
「この曲、全然踊れちゃうんだよね」
バレリーナのような開脚をして、高くジャンプする。いつもより高く飛べるし、指先まで音楽とぴったり一致して心地良い。
澪音の曲は社交ダンスのようなクラシカルなダンスには向いていなくても、既存のジャンルにとらわれないダンスにはとても良く馴染む。先日のオーディションで踊った振り付けを曲に合わせると、楽しくて時間を忘れてしまったほどだった。
「柚葉さん、格好いい!凄いですね」
「わぁっ。すみませんっ。杉崎さん来てたんですね」
「少し時間より早く来ちゃいました。どうぞそのまま、続けて。もう少し見たいです」
「いえいえっ、お見せするほどのものではないのでっ」
澪音は、この曲は私以外には聞かれたくないと言っていたので、慌てて音楽を止める。
「凄く綺麗な曲とダンスだったのに……。止めるなんて勿体無い。
その音楽、良いですね。聞いたことないけど、インディーズのアーティストですか?」
「あはは……。そんなところです」
音楽に興味深々の杉崎さんは携帯プレーヤーを操作する。曲を聞いてはだめとも言いづらくてハラハラしながら見守っていると、杉崎さんの手が止まった。
「ワルツもあるんですね。今日のレッスンはこの曲でも良いですか?」