君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「気持ちいい」
澪音が呟くのに合わせて頬が動いて、瞬きすると指先を睫毛が掠めた。まるで自分からキスするような動作のままじっと動かずにいると、心臓がばくばくしてしまう。
「そのままキスしてくれたら最高なんだけど。
でも今は口の中血の味するから駄目か」
「澪音、あんまり無茶しないでください。口の中まで切れてるなんて……」
心配になるのと同時に、澪音の口からキスという言葉を聞いて、前に一度キスした時を思い出してしまう。あの時は深く深く唇を重ねて、澪音に全て絡め取られてしまうかのようだった。
「……!」
どうせ失恋してるんだからと、思いきって自分から唇を重ねた。そのうち離れる日が来るのだから、澪音との想い出をもう少しくらい増やしてたっていいはず。
唇を重ねるだけのキスをすると、澪音が驚いたように目を見開いて、強く抱き締められた。
「柚葉、ほんとにしてくれると思わなかった……」
今度は澪音の方からキスをされて、頭がぼうっとなる。深く唇を重ねる代わりなのか、啄むようなキスを繰り返される。
「何だか、もどかしいな」
澪音は親指で私の唇をゆっくりとなぞって往復する。熱く焦れたような視線に吸い込まれると、指先は口の中に差し込まれて舌を撫でた。
「ぁ……」
澪音は私をじっと見つめられたまま、親指で舌を撫でる。足元がぐらつくほど口の中の感触でいっぱいになり、気がつけば、支えられてやっと立っていられるほど澪音に体重を預けていた。
澪音が呟くのに合わせて頬が動いて、瞬きすると指先を睫毛が掠めた。まるで自分からキスするような動作のままじっと動かずにいると、心臓がばくばくしてしまう。
「そのままキスしてくれたら最高なんだけど。
でも今は口の中血の味するから駄目か」
「澪音、あんまり無茶しないでください。口の中まで切れてるなんて……」
心配になるのと同時に、澪音の口からキスという言葉を聞いて、前に一度キスした時を思い出してしまう。あの時は深く深く唇を重ねて、澪音に全て絡め取られてしまうかのようだった。
「……!」
どうせ失恋してるんだからと、思いきって自分から唇を重ねた。そのうち離れる日が来るのだから、澪音との想い出をもう少しくらい増やしてたっていいはず。
唇を重ねるだけのキスをすると、澪音が驚いたように目を見開いて、強く抱き締められた。
「柚葉、ほんとにしてくれると思わなかった……」
今度は澪音の方からキスをされて、頭がぼうっとなる。深く唇を重ねる代わりなのか、啄むようなキスを繰り返される。
「何だか、もどかしいな」
澪音は親指で私の唇をゆっくりとなぞって往復する。熱く焦れたような視線に吸い込まれると、指先は口の中に差し込まれて舌を撫でた。
「ぁ……」
澪音は私をじっと見つめられたまま、親指で舌を撫でる。足元がぐらつくほど口の中の感触でいっぱいになり、気がつけば、支えられてやっと立っていられるほど澪音に体重を預けていた。