君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
上を向くと、弥太郎さんが体温計とグラスを持って私を見下ろしていた。
「ここ、弥太郎さんの部屋!?」
飛び起きようとすると、弥太郎さんは制止するように軽く片手を上げた。その手には体温計が握られていて、目の前に差し出される。測れということらしい。
「……どうも」
おとなしく体温を測ると、38.7度と表示された。けっこう高いな……と眺めていたら、引ったくるように体温計を奪われて、その温度を見て呆れたように睨まれた。
今度は水の入ったグラスを目の前に持ってくる。有無を言わさぬ様子だ。
「いろいろと、すみません」
お水を飲むと、体に染み込むようだった。そういえばずっと水分をとっていなかった。あっという間に飲み干すと、弥太郎さんは空になったグラスに追加のお水を注いで、お粥の載ったトレイを手にしている。
少し考え込むように首を傾げ、お粥をスプーンで掬って私の口元に持ってくる。
……食べさせてもらうのはさすがに気恥ずかしい。
「ありがとうございます、でも自分で食べられます」
そう言っても首を振ってスプーンをどけないので、思いきって口をつける。
「美味しい……」
お粥を飲み込むと、ひとくち、またひとくちとゆっくりとお粥を運んでくれた。お腹がいっぱいになったところで、最後に薬まで手渡してくれる。
「弥太郎さん ここに連れてきてくれたんですよね
助けて頂いて、ありがとうございます」
神妙な顔をしていた弥太郎さんは、口元に手をあてて、やがて堪えきれなくなったように吹き出した。
「何が可笑しいんですか?」
「ここ、弥太郎さんの部屋!?」
飛び起きようとすると、弥太郎さんは制止するように軽く片手を上げた。その手には体温計が握られていて、目の前に差し出される。測れということらしい。
「……どうも」
おとなしく体温を測ると、38.7度と表示された。けっこう高いな……と眺めていたら、引ったくるように体温計を奪われて、その温度を見て呆れたように睨まれた。
今度は水の入ったグラスを目の前に持ってくる。有無を言わさぬ様子だ。
「いろいろと、すみません」
お水を飲むと、体に染み込むようだった。そういえばずっと水分をとっていなかった。あっという間に飲み干すと、弥太郎さんは空になったグラスに追加のお水を注いで、お粥の載ったトレイを手にしている。
少し考え込むように首を傾げ、お粥をスプーンで掬って私の口元に持ってくる。
……食べさせてもらうのはさすがに気恥ずかしい。
「ありがとうございます、でも自分で食べられます」
そう言っても首を振ってスプーンをどけないので、思いきって口をつける。
「美味しい……」
お粥を飲み込むと、ひとくち、またひとくちとゆっくりとお粥を運んでくれた。お腹がいっぱいになったところで、最後に薬まで手渡してくれる。
「弥太郎さん ここに連れてきてくれたんですよね
助けて頂いて、ありがとうございます」
神妙な顔をしていた弥太郎さんは、口元に手をあてて、やがて堪えきれなくなったように吹き出した。
「何が可笑しいんですか?」