イノセント
「おい、早く椅子を前に!机が遠い!」
「すみません……」
小さな子の椅子を前に押す。
完全にホールキーパー扱いされている。
言わなくてもわかるくらいのDaintyの視線。
小さな子と同じことをすると 喜んでいた。
"Dainty" 私は小声で呼びかけた。
「私 隣の子の名前を知らないのだが……」
「Gloveo。
Gloveo・fon・Lennonfordって言うの、覚えてね。」
やはり、この子が私の甥か。
「僕の名前を知らなかったのか?」
まだ食事が運ばれているわけでもないのに、机に配列されたナイフとフォークを手にして遊んでいたGloveo君は そのフォークでおもむろに私の手の甲を刺す。
……少しだけ、痛い。
「こら、Gloveo。Victorに何してるの?
辞めなさい。」
「はーい。」
素直にナイフとフォークを机に起き、忙しなく足をバタつかせるGloveo君。
5歳頃だと聞いている、ヤンチャ盛りなのだろう。
卓上に並べられた食事。
……私の好物ばかりだ、驚いた。
「Victor出獄の祝福の意を示して、乾杯。」
カツンーと音を鳴らすグラス。
……、有難いけれども……何とも複雑な気持ちだ。