眠り姫に恋したのは年下御曹司
週末に過ごした陽平との時間は嫌ではなかった。


私に擦り寄ってくる可愛い犬みたいだし、私を甘やかしてくれる。


凄く心地良すぎだ。


癒されるのは私の方かもしれない。


初めて過ごすのに気も使わないし、陽平も凄く笑って過ごしていたように思う。



「片桐さん、悩んでます?」


「えっ?」


「さっきから手が動いてませんよ。」



山中の言葉に我に帰る。


つい陽平の事を考えてしまっていたのだ。


大きく深呼吸をして気持ちを切り替える。


今は仕事に集中だ。


止めていた手を動かし、会議資料を作成していく。


午前中には終わらせて送信したい。


陽平の名刺を取り出して宛名を打ち込む。


今は取引先の上司だ。


言葉も丁寧に記載して資料を送信する。


あっという間に一日が過ぎていく。


忙しい時は時間が早く過ぎる。



「お先に。」


「お疲れ様。」



すっかり夜だ。


携帯を取り出してメッセージを確認する。
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