葵くん、そんなにドキドキさせないで。
「……っ」
『田中さん』
私、まだ、葵くんの隣にいたい。
「…っ、わ、かれたくない……っ」
「なっ!?」
分かってる。
身の程知らずだって分かってる。でも、ごめん、やっぱり一緒にいたい。
だって知っちゃったんだもん。
葵くんの本当に優しい姿、見ちゃったんだもん。
『ん、いい子。』
ふ、と電話越しで葵くんが笑った気がした
「アンタ何考えてんの!?」
「きゃっ」
また胸ぐらを掴まれて、その子の右手が上がる
叩かれる…!
そう思って目をぎゅっと閉じた瞬間
「…こんなとこで何してんの?」
聞き慣れた声が耳に届いた