葵くん、そんなにドキドキさせないで。


誰もいない教室で小さく呟いた


ほうきを動かして、ちりとりにゴミを集めていく




…一緒に帰ったり、手をつないだり

美味しいものを食べて、キスなんかもしたりして。





「…ちょっと憧れるかも」





……なーんて、ね。


ふふっ、ちょっとこれはワガママだね






「へぇ、田中さん、彼氏が欲しいんだ?」


「いやいやっ、憧れるけど…私にはどうせムリだろうし…………」





…………って、






「俺が彼氏になるって昨日から言ってるのに?」



「っ、!!!?」





なっ、なん…なんで葵くんが…!?




「良かった、まだ田中さんがいて」




ニッコリと綺麗に笑う葵くんに、サーっと青くなる私


こ、これは…これは非常に、まずいっ


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