宮花物語
王が口に入れてくれたのは、シャキシャキの野菜だった。

「うん。」

「こっちもな。」

次はとろけるような、豚肉だ。

「美味しい。」

「そうだそうだ。旨い物を食べれば、傷も早く治る。」

紅梅は食べながら、王をずっと見つめていた。


「本当に、有り難うございます。」

「どうした?急に。」

「私の為に、このような場を設けて頂いて。もしかしたら、怪我をした事も、気にされているのですか?」

「ははは。まあ、それを理由にしたのは、否めないな。」

「えっ……」

すぐ横で、料理を食べている王に、心臓の鼓動が早くなる。

「先に……黄杏に子ができて、気落ちしているだろう。」

「い、いえ……」

「すまぬな。そなたは、子が好き故、早くに作ってやらねばとは、思っていたのだが。」

優しい言葉に、本来ならば嬉しくなるはずなのだが、黄杏あっての訪問かと思うと、心から喜べない。
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