宮花物語
香を炊き、王の疲れが取れるような、部屋の雰囲気を醸し出す。

「おいで、紅梅。」

胸を肌けさせて、手招きをする王。

いつもはこの手招きに吸い寄せられて、王の胸に抱かれるのだが、今日は違った。

「紅梅?どうした?」

顔を覗かれ、焦らすのもここまでと、腹をくくった。

紅梅は後ろを向き、自分から服を脱いだ。

元から武術で鍛えた体。

背中も腰もお尻も、無駄な肉が無く、引き締まっている。


「ほう……」

王は炎に浮かび上がるその後ろ姿を、眺めて楽しむ。

「いい体をしている。今まで、気づかなかった。」

そして人差し指で、紅梅の背中をツーっとなぞった。

「ふっ……」

声が漏れる紅梅。

触られた直線が、徐々に熱くなっていく。

「紅梅。」

王が肩に口付ける。

「……っ」

声にならないため息と共に、王と紅梅は、寝床へ横たわった。
< 161 / 438 >

この作品をシェア

pagetop