宮花物語
虚ろな目で、ただただ痛みに耐えている黄杏。

「ああ!許してくれ、黄杏。こんな時に限って、他の妃の元へ行っているなんて!」

「いい……え……私の方こそ……ご心配……おかけして……」

「それ以上、何も申すな。」

信志は女人から布を借りると、黄杏の手を握りながら、次から次へと溢れる汗を拭き取った。

「頑張れ、黄杏。私がついている。」

「はい……」

意識朦朧としている黄杏を、信志は必死に励ました。


だが、夜更け近く。

「うううううう!あああああ!」

黄杏の唸り声が、悲鳴に変わった。

「医師!」

王に呼ばれ、医師が黄杏を診る。

新たな薬を用意させ、それを飲ませようとした時だ。


「うわあああああ!」

急に大きな声を挙げ、叫び終わった後、ぐったりと力尽きてしまった。

「黄杏!黄杏!!」

信志が、黄杏を揺り起こす。

「王。しばらく、席を外して頂けますか?」

医師が冷たく言い放つ。
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