宮花物語
「王。横になってください。」

服を脱がせ、自分の寝台に信志を寝かせる。

情事以外で、王を寝台に寝かせるとは。

青蘭は、複雑な気持ちでいっぱいだった。


憎んでいた相手。

誰が、この者の子など孕むかと、意地を張っていた時代。

それも全て、懐かしいだけだった。

夜更けだった事もあり、青蘭は何も言わずに、信志の横で眠りに入った。

そして一時程して、信志が起き上がっている事に、気づいた。

「信志様。」

寒くないかと、上着を羽織らせた。


「なあ、青蘭。なぜ子は、死んでしまったのかな。」

青蘭は答えられなかった。

「もしかしたら、今までこの手で殺してきた、祟りなのか。」

「信志様?」

「そなたの父を討ち取った時、『この恨み、子孫まで!』と言われた。いつか、そなたに子ができ、その者に命を狙われるのかと考えもしたが、まさか子孫ができないとは……」

「考え過ぎです!」
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