宮花物語
「まあ!お子が!?」

兄の子なら、自分の甥か姪だ。

「おいくつになるのですか?男?女?」

「上が1歳の男の子で、下が生まれたばかりの女の子だ。」

「ああ……将拓殿と美麗のお子なら、さぞかし綺麗なのでしょうね。」

黄杏はふと、途中で流れてしまった自分の子を、思い出した。


「……すまない。余計な事を思い出させてしまったようだ。」

「いいえ、運だったのです。仕方ありません。」

将拓は、黄杏が流産した時、何者かが毒を盛ったと言う噂を聞いていた。

それを黙って受け入れようとしている妹。

例え好いた男の元へ嫁いだと言っても、田舎からこの都の宮中に入る気苦労は、想像を絶するだろうに。

その事もあって、将拓はどうしても、黄杏に会いたかったのだ。


「黄杏様、これを。」

将拓は懐から、箱を取り出した。

蓋を開けるとそこには、贅沢な金の飾りがついた櫛があった。

「これは?」
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