宮花物語
「お二人とも。このまま奥様の屋敷へ、ご同行願います。」

「白蓮様!?」

黄杏は、背筋が凍った。

「お待ちください!」

思わず護衛長・勇俊の腕を掴んだ黄杏。

「悪いのは、私一人です!この方は、用があって私が呼んだだけです!」

ただ当の勇俊は、表情を崩さす、黄杏の腕を優しく外す。

「……言い訳は、奥様になさって下さい。私はお二人を、奥様のお屋敷にお連れするだけです。」

「護衛長!?」


お妃の屋敷が、連なる敷地内を守る護衛達。

その頂点に立つ護衛長の勇俊は、時々お妃達の屋敷を回り、不審な事はなかったか、聞く事もあった。

お妃達からの信頼も厚く、無論黄杏も同じだった。

それが、こんなにも非情な態度をとられるのか。


「黄杏様。」

妹の泣き崩れる姿を見て、将拓は妹を抱き起した。

「私があなたをお守り致します。さあ、行きましょう。」

「将拓殿……」
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