宮花物語
自分に疑いがかかっていると言うのに、必要以上に落ち着いた雰囲気。


なぜなのだろう。

なぜそこまで、この二人を疑わずに、助けようとするのか。


「……もしや、王も忠仁も、知っておられたのか?」

「何を馬鹿な……」

信志は、額に汗を感じた。

「兄のいる娘を妃に迎えないのは、宮中に続いた大事な言わしめ。政治に混乱を招かぬ為でございます。王!恋に現を抜かし、それをお忘れになったのですか!?」

「白蓮……」

信志が白蓮の元に一歩近づくと、白蓮は同じ歩幅で遠のく。

「恐ろしい……黄杏をこのままにしておけば、いづれ内乱が起きます。その前に、宮中から去って貰うのが、適当かと。」

白蓮の言葉に、黄杏は顔を白くして、床に崩れた。

「黄杏!」

信志は倒れかけている黄杏を、抱きかかえた。

「大丈夫か?しっかりしろ!」

「はい……」

だがその目は、生気を失っている。


「お許し下さい。」
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