宮花物語
隣で将拓が、涙を流しながら、頭を下げている。

「私が全て悪いのです!やはりあの時、私が命を絶っていればこのような事は……」

「何を言うのだ!将拓!!」

信志は、将拓の肩を掴んだ。

「このような事で、命を粗末にしてはならぬ。もしそんなに死にたいのなら、一度死んだ気になって、国の為に尽くせ。」

「……ううっ………」

そして将拓は己の愚かさに、また涙を流した。


「なぜなんだ。」

信志は、声を震わせながら、顔を上げた。

「なぜ皆、過去にばかり囚われるのだ。この者が内乱を起こすという証拠でもあるのか?なぜもっと……この者の真の姿を見ようとはしないのだ。」

信志の目にも、薄っすら涙がたまっていた。


その一部始終を見ていた勇俊は、両手をぎゅっと握りしめた。

この三人の中に、何があったのかは知らない。

だが、人には分からない確固たる絆があるような気がして、どうにかしなければならない、その気持ちだけが逸った。
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