宮花物語
その時だった。

勇俊の横をすり抜けて、白蓮の前に姿を現した者がいた。


「白蓮奥様。そうだとすれば、私も同じ立場です。」

「青蘭……」

勝手に広間に入ってきた青蘭を、白蓮は冷ややかな目で見つめる。

その上、黄杏を宮中から追い出せるかもしれないと言うのに、何を言い出すのか。


「私にも、戦で行方知らずになっている兄がおります。」

白蓮の眉が動く。

「行方知らずの者を、数える気などない!」

「もし!その兄が生きていて、私に会いに来たとすれば、同じように不義密通の疑いをかけられるのでしょうか!」

「青蘭!お黙りなさい!」

「それとも、妃の資格あらずと、同じように宮中を追われるのでしょうか。」

しばらく睨み合う青蘭と白蓮。


青蘭は子は成さないとは言え、王の寵愛を受ける妃の一人。

白蓮にとっては、いなくなった方がよいが、一気にお妃が二人も減れば、また新たな妃を迎えろと、周りが言い出しかねない。
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