宮花物語
「それは……辛い事を言わせてしまいました。」

将拓は、青蘭の心の優しさと、機転の良さに深く感謝した。

同じ王の妃同士。

どちらが早く王の跡継ぎを生むかで、宮中は悪鬼渦巻いているのかと思っていたのに。

どうやらこの青蘭というお妃のお陰で、妹はなんとか暮らしていけているのかもしれないと、信志は感じたのだ。


「信寧王様……お妃様……」

将拓は、信志と青蘭の前に、両手を着いた。

「どうか黄杏を……妹をよろしくお願いします。」

「兄上……」

黄杏が将拓に、抱き着いた。

「私に似て不束者でございます故、どうか良い方に、お導き下さい。」

それを聞いた青蘭は、やっと微笑んだ。

「黄杏様は、お妃の役目をよくこなしております。何も心配されることはございませんよ。」

「……有難いお言葉、恐れ入ります。」

将拓はただただ、この二人に感謝するしかなかった。
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