宮花物語
丁度、その時だ。

ほろ酔い気分の将拓が、黄杏の屋敷から出てきた。


「護衛長殿!」

すっかり顔見知りになった将拓は、警戒する事もなく勇俊の元へ寄ってきた。

「昨夜は、お世話になりました。お陰様で、妹とこうして酒を酌み交わす事ができます。」

「それは……ようございました。」

頭を下げた将拓は、少しふらついている。

「大丈夫ですか?」

思わず勇俊が、手を差し出す。

そして迷いなく、その腕を掴む将拓。

「はははっ!すみません。」


この笑顔が、あとどのくらい続くのか。

勇俊はたまらなくなって、将拓のもう片方の腕を掴んだ。

「護衛長?」

隙を見せた将拓の抱き寄せた勇俊。

「ちょ、ちょっと!私には、そのような趣味は……」

「お静かに。」

将拓の耳元で、勇俊が囁く。


「何者かが、あなたの命を狙っています。」

「えっ!?」

勇俊と将拓は、至近距離で見つめ合った。
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