宮花物語
王宮の中には、神を祀る神殿があり、一日に一度、王と妃は祈りを捧げるのが、日課だった。

だがその神殿に籠っていると言う事は、何か重要なお祈りでも、捧げているのだろうか。

「私が聞いても、答えをはぐらかせてね。あそこは空気も冷たいし、籠りっぱなしでは、体に応えると思うのだ。」

「信志様は、紅梅さんのお体が、心配なのですね。」

信志は、頷いた。

「分かりました。私が、紅梅さんの元を訪ねて、それとなく伺ってみますわ。」

「ありがとう、黄杏。」

信志は、黄杏をそっと抱きしめた。

黄杏の優しさに触れると、どんなに大変な政務も、頑張ろうと思えるし、何より心が緊張から解かれるのだった。


「ああ……黄杏……」

信志は、黄杏を寝台に寝かせた。

「そなたとは、身も心も、繋がっていたいと思う。」

「私もです……信志様……」

自分と同じ気持ちで、愛してくれる。

それが黄杏を、一日も離せないでいる理由だった。
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