宮花物語
そして第3王妃の紅梅は、毎日午後になると、宮殿の中にある祭壇に祈りを捧げていた。

黄杏の兄が、妹の為に自分の人生を捨てたように、紅梅の父・忠仁も自分が王の妃になる為に、自分の出世の道を捨てたのだ。

だからこそ、何としてでも、王のお子を産まなければならない。

そうしなければ、父が可哀そう過ぎる。

そこへ、信寧王の命を受けた黄杏がやってきた。


「あら、黄杏さん。」

「紅梅さん。お元気そうね。」

黄杏は、紅梅の横に座った。

「最近、お祈りに力を入れているそうだけど。」

率直に、紅梅に尋ねる黄杏。

「ええ、そうよ。何としてでも、王のお子を産まなければならないのよ。」

紅梅は必死になって、神に祈っていた。


「……そこまで祈る理由って、何かあるの?」

紅梅は、黄杏を睨んだ。

「ただ知りたいだけよ。他意はないわ。」

黄杏は、真っすぐ紅梅を見つめた。

すると紅梅は、フッと鼻で笑った。
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