宮花物語
黄杏と紅梅は、お互いを見合う。

「……兄のいる娘は、お妃になれない。あなたに、兄がいると世間に知られたら、どうする気なの?」

「何とかするわよ。」

「大方、信寧王がお助け下さると思ってるんでしょ?」

黄杏は、唇を噛んだ。

「あなたのお兄様を襲ったのは、白蓮様よ。」

「何ですって?」

「この王宮にはね。王の力が及ばない場所があるの。掟に背けば、王もあなたを庇いきれない。分かった?」

紅梅にそこまで言われ、黄杏は初めて、大きな力が渦を巻いている事を知った。


「で?お兄様がそんな事になって、あなたはそのままでいいの?」

「そのままで?」

「このまま、お子を諦めていいの?」

紅梅の言葉は、真っすぐに黄杏の胸に届く。

「……私は、一度流産してしまったから。」

「一度くらい何だって言うの?」

「でも、お子ができにくい体になってしまったし……」

「できにくのであって、全くできない訳ではない。」
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