宮花物語
半ば、嫌味で言った話を、こんなに真っすぐ受け止めてくれるなんて。

「紅梅さん。私も、もう一度王のお子が欲しい。」

力強く言葉を発する黄杏に、紅梅は圧倒された。

「私は誰よりも、王を愛しています。だからこそ、愛している人の子供を産みたい。これからは、他のお妃様に遠慮する事なく、王のお子を望むわ。」

返って自信を付けさせてしまったかと、紅梅は複雑な思いにかられた。


「紅梅さんも一緒でしょ?」

「えっ?」

黄杏は、紅梅の手を握った。

「紅梅さんも、王を慕っているのでしょう?」

「ええ、そうよ。誰よりも尊敬し、傍にいてお支えしたいと思っているわ。」

「そんなお方のお子が欲しいと願うのは、女として当たり前よ。」

「黄杏……さん?」

黄杏は、紅梅の近くに寄った。


「紅梅さん。二人で頑張りましょう。」

「え、ええ……」

それだけを伝えると、黄杏は神殿から去ってしまった。
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