宮花物語
だが、これは黄杏から頂いた薬草。

子沢山村に伝わる、薬草。

一度は、王のお子を宿した黄杏も、飲んでいた薬草なのだ。


「飲まなきゃ……」

紅梅は鼻を抓みながら、一気に飲み切った。

するとなんだか、体がポカポカしてきた気がした。

「これで、効き目があるのかしら。」

紅梅がため息を一つすると、女人が王の訪問を、知らせてくれた。


「紅梅。邪魔するよ。」

久しぶりに夜に見た、王の姿。

「お邪魔だなんて。いつでも、いらしてください。」

そう答える紅梅が、いつもと違う雰囲気であることを、王は見逃さなかった。

「……今日は、雰囲気が違うね。髪をおろしているせいかな?」

「はい。青蘭さんや、黄杏さんの真似をしてみました。」

「二人の?」

それを聞いた王は、紅梅の隣に座った。

「二人の真似などしなくてもよい。紅梅には紅梅の、よいところがたくさんある。」

「……有難うございます。」
< 301 / 438 >

この作品をシェア

pagetop