宮花物語
そう言われると、胸の奥がくすぐったくなる紅梅。

「ところで、このお茶は何だ?すごい匂いがするが……」

王が顔を近づけて匂いを嗅いでみると、やはり強烈な匂いに、顔を背けてしまった。

「それは……黄杏さんから頂いた、薬草でして。」

「黄杏から貰った薬草?」

「はい。何でも黄杏さんのご出身の村では、この薬草を飲んでいるから、お子ができるのだと……」

そう言って紅梅は、口を隠した。

「子ができる、薬草か……」

「……はい。」


微妙な空気が、二人の間を流れる。

「申し訳ありません。」

「何がだ?」

「これでは、せっかくの雰囲気が、台無しでございますね。」

紅梅が立ち上がり、薬草の入った瓶を持ち上げようとした時だ。

王が後ろから、紅梅を抱きしめた。

「そんな事はない。今日の紅梅は、いつもと違う雰囲気だからね。違う女を見ているようだよ。」

「お、王?」

戸惑う紅梅の滑らかな肌を、王が滑るように触れてくる。
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