宮花物語
「それって、誉め言葉ですか?」

黄杏は真顔で尋ねる。

「ええ。そう思うのならどうぞ。」

再び見つめ合う二人。

「まあ、それも……面白いわね。」

「そうでしょう?青蘭さん。」

黄杏と青蘭は、二人で黒音の屋敷を見ながら、クスクスと笑った。


それから2週間後。

黒音の元に、次々とお祝いの品が、届けられた。

白蓮からは、黄杏の時と同じように、産着や腹帯など、数々の豪華な品が揃えられた。

「有難いわ。皆、私にお子ができた事を、嬉しく思っているのね。」

黒音は、豪華な品を見ながら、うっとりとしていた。


「黒音様。こちらは、青蘭様からです。」

黒音の筆頭女人である桂花(ケイカ)が、立派な箱を持ってきた。

「青蘭様?」

青蘭からの贈り物は、赤子が生まれてから使うおしめの布だった。

「まあ、素敵な布だこと。」

赤子のおしめにするには、勿体無い程の美しい白い布。

「ああ、でも王のお子なら、これくらい当然よね。」
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