宮花物語
桂花が見たところ、王のお子を産む可能性があるのは、黄杏と自分が仕える黒音だけ。
しかも黒音が先に懐妊するとは、桂花も運が良いと、己で思っていたところだ。
だが、黒音はそんな桂花を、白い目で見る。
「桂花。軽々しくそのような事、申すでない。」
黒音の器量がいい分、桂花はぞっとする。
「は、はい。申し訳ありません。」
慌てて頭を下げる桂花。
「黒音。そのように、女人を責めてはいけない。」
「信寧王……」
王は黒音のお腹を、そっと触った。
「そうか。男の子かもしれないのか。待ち遠しいなぁ。」
悲惨な少女時代を送った黒音。
今が一番、心安らぐ生活を送っていた。
「黒音。今はそなたの体調が、芳しくないようだから、これで私は帰るが、つわりが治まったら、もっとゆっくり一緒に過ごそう。」
それは今度は、黒音の元へ通って来てくれると言う宣言だった。
「王……なんてお優しい言葉。」
しかも黒音が先に懐妊するとは、桂花も運が良いと、己で思っていたところだ。
だが、黒音はそんな桂花を、白い目で見る。
「桂花。軽々しくそのような事、申すでない。」
黒音の器量がいい分、桂花はぞっとする。
「は、はい。申し訳ありません。」
慌てて頭を下げる桂花。
「黒音。そのように、女人を責めてはいけない。」
「信寧王……」
王は黒音のお腹を、そっと触った。
「そうか。男の子かもしれないのか。待ち遠しいなぁ。」
悲惨な少女時代を送った黒音。
今が一番、心安らぐ生活を送っていた。
「黒音。今はそなたの体調が、芳しくないようだから、これで私は帰るが、つわりが治まったら、もっとゆっくり一緒に過ごそう。」
それは今度は、黒音の元へ通って来てくれると言う宣言だった。
「王……なんてお優しい言葉。」