宮花物語
黒音の機器迫る様子に、信志も言葉を失う。

「……申し訳ございません。」

「いや、男の子の名前も、決めねばな。」

信志も起き上がり、黒音を宥める。

最近、こんな事の繰り返しだ。


月日が流れ、黒音は毎月のように、医師の見立てが必要となった。

「ああ。大分お腹も、大きくなりましたね。」

「お陰様でございます。」

王宮付きの医師が常駐する場所は、白蓮の屋敷のすぐ側だった。

お腹の子が、男か女か心配する白蓮が、黒音に内緒で医師の元を訪れていた。


「ああ、お腹のお子は、皇子なのか姫なのか。まだ分からぬかの。」

白蓮は女人と一緒に、ウズウズしていた。

そんな白蓮の姿に、黒音は気づいていた。

診察が終わり、黒音はお腹の布を直す。

「お腹のお子は、順調ですか?医師殿。」

「えっ!……あ、ああ……そうですね。」

曖昧な返事をする医師。

だが黒音は、そんな事どうでもよかった。
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