宮花物語
「あなたは、私よりも年上で、芯が座っている部分もあるけれども、それが時に、寂しく思う時があるのだ。」

「お寂しい?なぜ?」

「……私など、必要ないのかと。」

白蓮は思わず、隣に座る信志の手を、腕ごと掴んだ。

「そのような事……ある訳ございません!」

「白蓮?」

「いつでも……あなた様の事を、必要としています。私には、なくてはならないお人です。」

だが信志は、白蓮の手をそっと、自分の腕から離した。

「だがそれは……私が王だからなのでは?」

「えっ……」

「あなたは、幼い頃から正妃として、申し分ない人だった。それに応えようと、夫として奮起してきたけれど、時々思うのだ。私が皇太子にならなければ、あなたとの結婚は、なかったのではないかと。」

信志は、まだ子供の頃の事を思い出した。

実は信志には、5歳上の兄がいた。

白蓮は兄の2歳年下で、兄のお妃候補だったのだ。
< 332 / 438 >

この作品をシェア

pagetop