宮花物語
しっとりと濡れた肌に、虚ろな瞳。

妻のこんな姿、眺めようとしなかった自分が、悔やまれた。

「……白蓮、もう少し付き合ってくれないか……」

すると白蓮は、優しそうに微笑んだ。

「ええ……今日はあなたが満足するまで、放したくありません。」

白蓮の腕が、信志の首を包み込む。


「今日黒音に、お子ができない正妃は虚しいと言われました。」

「えっ……」

「でも今、私は幸せです。誰でもないあなたと、こんなにも愛し合っているのですから……」

白蓮の瞳から、ホロッと涙が零れた。

「……子なら、今から産めばいいではないか。」

「でも……」

「私はあなたに、私との子を産んでほしい。」

白蓮は、両手で顔を抑えた。

涙が止まらなかったからだ。

「嫌か?」

激しく首を横に振る白蓮。

「私も本当は……王のお子がほしい……」

そして二人は、貪るように唇を重ねると、激しく情を交わし合った。
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