宮花物語
あまりの姿に、白蓮は恐れを抱いたが、その目は骨と皮ばかりの老人にしては、黒々としている。

「……私を知っている方ですか?」

「よく知っているよ。そなたが産まれた時、王妃になると告げたのは、私だからな。」

白蓮はハッとし、その老人の近くに座った。

「ならば……信寧王に、兄君がいらっしゃった事は、ご存じですか?」

「ああ、知っている。」

「その方の事を、教えて頂きたいのです。」

白蓮は、真っすぐその老人を見たが、老人は何も言わずに黙っている。

「あの……その方は、幼い頃に亡くなったとお聞きしたのですが……私が、元々その方の妃になるはずだったと、王が申されて……」

それを聞いても、老人は黙っている。

「……私は、そのようなお話、耳にした事がないのです。なぜ王の兄君に嫁ぐと決まったいたのに、周囲はその事を私にお話し下さらなかったのか。」

白蓮は床を見ながら、王の悲しげな顔を思い浮かべた。
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