宮花物語
「そして、信寧王の跡継ぎは、一度懐妊した妃の腹から、必ず産まれる。」

「そ、それは……本当の事ですか!?」

「そうだ。全ては星の元に、決まっている事。」

そして白蓮が気が付くと、いつの間にか濃い霧が、神殿を囲っていた。

「そなたは、そなたの為すべき事をせよ。」

「あの……」

白蓮が手が伸ばした時には、その老人は姿を消していた。


「私が王の妃になる事は、私が産まれた時に、決まっていた?そして、跡継ぎは……必ず産まれる……」

白蓮は、老人が口にした事を、ゴクンと飲みほした。

「一度……懐妊した者……黄杏か、黒音のどちらかに……」

白蓮はそう言うと、何かに憑りつかれたかのように、フラフラと神殿から自分の屋敷に戻った。


「産まれる……跡継ぎが……王の……跡継ぎが……」

その事ばかりが気になって、夕食も忘れていた白蓮。

見かねて信志が、白蓮の部屋を訪れた。

「白蓮?」
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