宮花物語
でも黒音が、認めなければ?

答えは、もう決まっている。

白蓮は、ため息を一つついた。


処置室についた白蓮は、そっと中を覗いた。

寝台に座り、処置が始まるのを、今か今かと待っている。

その表情は、どことなく悲しげなだ。

「黒音。」

白蓮が声を掛けると、その表情は一変し、いつもの黒音に戻る。

「黒音。処置が始まる前に、一つだけ聞きたい事があるのです。」

「何でしょう。」

固い表情。

黒音は、自分に懐いてはいない。

「……そなたのお腹の子の事なのですが。」

「今更、何だと言うのですか?」

黒音の目は、更にキツイ目に変わった。

白蓮は、大きく息を吸った。

「……あなたの、想像だと言う事は、ないですか?」

「えっ?」

黒音と白蓮は、しばらく睨み合った。


「医師は、お腹が大きいのに、御子に触れないと申しています。もしかしたら、最初から御子はお腹に、いないのではないかと。」
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