宮花物語
白蓮の言葉に、信志は目を見開いた。

「それは、一度懐妊した妃から産まれるとか。だとすれば、黄杏か黒音のいづれかでございます。」

興奮した白蓮は、信志にしがみついた。

「王。これからしばらくは、黄杏の元へお通い下さい。黒音もいづれ体が回復したら……」

「白蓮。」

白蓮はハッとした。

「私がどの妃の元へ通うかは、私が決める。」

「王……」

「だから、あなたの元へも通う。いいね?」

真っすぐに見つめてくれる優しい瞳に、白蓮は罪悪感と幸福感が混ざり合う。


「それにしても、黒音の治療は終わっていないのか?」

信志は、侍従に尋ねるとまだだと言う。

「分かった。まだここで、待っていよう。」

そうは言ったが、3、4時間しても、まだ終わらない。

「遅い!まだ終わらないのか!」

しびれを切らした信志は、白蓮を連れて、黒音の処置が行われている治療室へと足を運んだ。
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