宮花物語
「まだなのか……」

それを聞いても、答えは知っている。

外にいる者は、ただただ、待つしかないのだ。


その時だ。

急に処置室の戸が開き、医師が廊下に出た。

「白蓮様……」

青い顔をして、医師は白蓮の側にくる。

「どうしました?」

白蓮が心配そうに声を掛けると、医師の額には汗が流れた。

「……いくら堕胎の薬を飲ませても、一向に産道が開く気配がありません。もしかしたら……」

医師の慌て振りに、信志は食らいつく。

「もしかしたら、何だと言うのだ!」

王の鬼気迫る表情に、医師は言葉を失う。

「王……」

白蓮はこれ以上、隠しておくことはできないと、信志を連れて処置室から、離れた場所に来た。

「実は黒音に、疑いがかかっています。」

「疑い?何の疑いだ!」

信志はやけに、興奮している。
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