宮花物語
「……想像妊娠の疑いです。」

「想像?あのお腹の子は、黒音が作り出したまがい物だと言うのか!」

「本当の事は分かりません。医師も区別がつかないと申しておりますし、何より黒音が、自分のお腹の子は、本当にいると言っているのです!」

信志は、白蓮に背中を向ける。


「黒音に、聞いてみる。」

「もう既に、私が聞いています。ですが、認めないのです。」

「私なら、本当の事を話してくれるかもしれない!」

信志は、全身を使って、怒りを示していた。

「……私だから、黒音は認めなかったと言うのですか?」

白蓮は、胸が痛かった。

「女同士には、分からぬ事だってある。」

そう言って信志は、黒音がいる診察室へ入って行った。

自分が一番だと言ってくれた夫が、今は他の女の味方をしている。

白蓮は、居たたまれない気持ちになりながら、その場に立ち尽くすしかなかった。
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