宮花物語
「お腹の子は、どうなるのです?」

「……もし本当に懐妊されているのであれば、御子はこのまま黒音様のお腹の中に居続ける事でしょう。」

「えっ?では?」

「はい。黒音様は、2度と御子を懐妊される事はなく……」

白蓮は、その場に座り込んだ。


「もういい!黒音に子ができなくなったとしても、命の方が大切だ!処置を止めてくれ!」

信志は、黒音の手を握りながら叫んだ。

そんな中、白蓮の頭の中で、あの骨と皮ばかりの老人の言った言葉が、響き渡る。


- 王の跡継ぎは、一度懐妊された妃から産まれる -


黒音の懐妊が、彼女の勝手な想像であれば、ここで処置を止めなければ命を落としてしまう。

だが、黒音の妊娠が本当ならば?

跡継ぎが産まれる可能性を、奪ってしまう事になる。


白蓮は、頭を抱えた。

「白蓮様!」

医師の声が、白蓮を追い詰める。

- 跡継ぎは、必ず産まれる -
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