宮花物語
「もっと黒音に薬を!」

白蓮は、医師の腕を掴む。

「黒音を、再び懐妊できる体にするのです!」

「は、はい!」

医師は慌てて、黒音に飲ませる薬を用意した。


「白蓮!」

それを聞いていた信志は、白蓮に詰め寄る。

「黒音が、どうなってもいいのか!」

「王よ!これは、我が国の為です!」

白蓮は、信志に臆することなく、言い放つ。

「王は……ご自分の代で、この国を終わらせるおつもりですか!」

「くっ……」

信志が、右手を強く握りしめた時だ。


「うわぁぁぁぁぁぁ!」

黒音の苦しそうな声が、二人の耳に聞こえてきた。

「王!黒音様が!」

側についていた桂花が、信志を呼ぶ。

「黒音!黒音!!」

そして信志は、白蓮を置いてまた、黒音の元へ行ってしまった。


「黒音、しっかりしろ!」

「うっ……ううううううう!」

背中をのけぞり、顔は苦しみに歪んでいる。

「黒音!」
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