宮花物語
青蘭から見て、黒音はあまり寵愛が深いように見えなかったと言うのに、今の信志からは、黒音の思い出しか出てこない。
死んだ後に、これ程までに王の心を捉えるとは。
青蘭は、黒音の裏側を知っているだけに、複雑な思いだ。
いつもであれば、夜を共に過ごす時には、ここで酒でも酌み交わすと言うのに、信志は黒音の喪を理由にそれもしなかった。
明日も早いからと、一人で寝台へ向かう信志。
青蘭には、その姿が痛々しく映った。
静かに寝息を立てる信志に、布団を掛ける青蘭。
肩まで伸びている長い髪が、王の色気をより増やしているようだった。
黒音の懐妊を知ってからは、全くこの屋敷を訪れていなかっただけに、青蘭は今隣で寝息を立てている信志が、不思議でならなかった。
「いつまで……一緒にいられるのか……このまま白蓮様と、仲違いしたままであればいいのに……」
ふいに寂しい気持ちを、青蘭は口にしてしまった。
死んだ後に、これ程までに王の心を捉えるとは。
青蘭は、黒音の裏側を知っているだけに、複雑な思いだ。
いつもであれば、夜を共に過ごす時には、ここで酒でも酌み交わすと言うのに、信志は黒音の喪を理由にそれもしなかった。
明日も早いからと、一人で寝台へ向かう信志。
青蘭には、その姿が痛々しく映った。
静かに寝息を立てる信志に、布団を掛ける青蘭。
肩まで伸びている長い髪が、王の色気をより増やしているようだった。
黒音の懐妊を知ってからは、全くこの屋敷を訪れていなかっただけに、青蘭は今隣で寝息を立てている信志が、不思議でならなかった。
「いつまで……一緒にいられるのか……このまま白蓮様と、仲違いしたままであればいいのに……」
ふいに寂しい気持ちを、青蘭は口にしてしまった。