宮花物語
その知らせは、他の妃達にも伝えられた。

「ああ、皇子が産まれたのね。」

一報を聞いた白蓮は、信志と同じように、涙を流した。

そして、『跡継ぎは必ず産まれる。』と言い残してくれた、祭壇の老人に、お礼を言い続けた。


次に聞いた青蘭は、静かに夜明けの空を眺めた。

「よかった、黄杏さん。」

青蘭の目に、王に特別想いを寄せる、純真無垢な黄杏の姿が、思い浮かぶ。

「本当によかった。皇子の母が、黄杏さんで。」


次に聞いた紅梅は、産まれたばかりの姫の隣に寝ていた。

「そう、黄杏さんのお子、皇子だったのね。」

「はい。」

女人は、少し嫌な予感がした。

先に皇子を産まれて、嫉妬しているのではないかと。

「よかったわね、明梅。あなたに弟が産まれたわよ。」

紅梅は、赤子に頬を寄せた。

「あなたの弟は、未来の王よ。よく面倒をみてあげてね。」

紅梅の言葉に、女人はほっと、一息をついた。
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