宮花物語
「母上、これは……」

誤魔化そうとする将拓を、今度は信志が止めた。

「お父上、お母上。私は、黄杏の恋人です。」

「恋人!?」

黄杏は、困った表情の中にも、どこか嬉しさが混ざっていた。

「この際ですから、言わせて下さい。私は、黄杏を妻に迎えたいと思っているのです。」

「ええっ!?」

更に驚いた両親は、突然の話に、言葉も出てこない。

「だが、あなた様の家では、黄杏が妻の条件に合わないと、受け入れては下さらないではないですか。」

すかさず将拓が、間に入った。

「将拓……」

「兄様……」

黄杏と信志は、途端に下を向く。

「どうやら、将拓の話は、本当の事なのですね。」

父親が、者苦しそうに言った。

すると信志は、手を床に付いて、頭を下げた。

「どんなに時間がかかっても、黄杏を妻に迎えられるよう、皆を説得します。」

「信志殿……」
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